事業理念

障害の壁を超え、持ち味を生かし
「好きなことを仕事にする喜び」
「他者と協働する楽しさ」を
誰もが目指せる世の中をつくること。

「多様性」「SDGs」といった意識が当たり前となった現代社会では、
異なる属性の者同士が如何に手を取り合い、協働していけるかが問われています。
そのためには「この人でもできる仕事」の発想ではなく、
「この人だからこそできる仕事」を創っていくことが大切だと考えます。

想造楽工は福祉作業施設に通う、障害を持つ人々をイラストレーター(商業美術家)として迎え、
絵を商業デザインに展開していく事業です。
これは慈善事業ではなく「ビジネス」であり、
イラストレーターは「支援対象」ではなく対等なビジネスパートナーとして接し、
制作に対し正当な費用が渡る仕組みを設定しています。

障害があるという状況は、働く上で技能面等の制限が増えると見なされますが、
既成概念を超える「絵の表現力」は技能や効率とは比較できないものであり、
見る人に気付きや癒しを与える、確固たる能力であり強みです。
障害を重りではなく翼だと捉え、
それぞれが持ち味を発揮して社会と交わり働く「当たり前」をつくるために、
想造楽工は誕生しました。

※「障害者」「障がい者」といった表記については様々な意見がありますが、
当社では「障害のある/障害を持つ人々」と書くスタンスをとっています。

事業背景

この事業を立ち上げた背景に、当社代表のYORIKO(宮島依子)の家族が重度の発達障害を持っていることが影響しています。
自身の関わり方に答えが出ないままデザイン業に従事していましたが、2019年に東京都八王子市にある「就労継続支援B型事業所しあわせのたね」が運営する飲食店改装に関わったことが転機となります。植物のイラストを内外装に使用する案が生じ、施設利用者の方々に描いてみてもらったところ、独創的でユーモアあふれる絵が次々生まれ、強く感銘を受けました。

その経験を機に福祉市場のしくみや課題を学び、障害のある人々に絵を描いてもらう仕事をつくるべく、デザインチーム「想造楽工」を考案。2020年4月に株式会社ニューモアを設立し、自社事業として開始させました。同10月にクラウドファンディングを通してプロダクト第一弾を開発・販売し、目標の620%となる額(310万円)が集まりました。 想造楽工では現在、契約を結んだ施設の利用者と定期的に絵の制作を行い、自社プロダクト開発と受注制作に取り組んでいます。